リバースによる部品図や部品製作のあれこれ
はじめに
古い機械でお困りごとがあった際に一番問題になりやすいのが壊れた部品の修復です。
部品の図面が存在するならそれを元に新たに作り直すことができますが、古い機械では図面が存在しない場合も多く、そこで修理を断念してしまう方も多いです。
そんなときにリバースエンジニアリングによって部品の図面を作成して再製作を行うことができますが、リバースエンジニアリングは修理とは違うため、一般的なイメージとは異なる部分が何点かございます。
本コラムでは、そんな点をいくつかご紹介いたします。
１．修理と比べて価格は高め
リバースエンジニアリングによる部品図の作成は、まず部品や機械の仕組みや環境、使用用途の調査から始まります。
その情報を元に部品を再設計、図面化、製作を行うため、修理とは違い、設計にかかる費用というものがどうしても発生してしまいます。そのため、通常の修理で想像する価格より、リバースエンジニアリングによる部品図作成、部品製作は高価になるケースがほとんどです。
２．完全に同じ部品は作れない
リバースエンジニアリングは現状の状態から調査を行い、必要な部品を再設計する作業になります。存在する部品を参考に図面化する場合でも、あくまで現物を参考にしたリバースエンジニアリングとなります。元々存在していた図面が復活するわけではないので、完全に同じ部品が製作できるようになるわけではありません。
特に材質は見た目からの判断が難しいので、調査内容から妥当だと思われる材質を選定して提案させて頂くケースが多いです。
また、コストや性能などの面から別の形状を提案させて頂くケースもあります。以前あったケースでは、対象が鋳肌がある鋳物の部品でしたが、そのまま鋳造で製作すると時間もコストも大幅にかかってしまいます。そのため、調査の際に変更しても問題ないと判断し、鋳鉄の切削加工品で提案させていただきました。
量産品では生産の都合上、一度型を作れば大量に製作できる鋳物の部品が使われることが多いのですが、リバースエンジニアリングによる再生産の場合、ほとんどが1個などの超少量生産になります。そのため、鋳物で生産された部品については、同等の性能を有した別の形状や材質での再製作をご提案させていただきます。
古い機械のお困りごと、相談は是非当社に！
部品の図面化の他、当社では具合の悪くなった古い機械など、機械に関するご相談を承っております。古い機械でお困りごとがございましたら、是非以下のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください！
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